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医師転職サイトドクターズアヴェニューHOME > 医療ニュースフラッシュ > 医師搬送コーディネーター発展のボトルネックは大阪 橋下府知事の新政策
2008年03月07日
2008年3月6日
救急患者の受け入れ病院が見つからず、患者の容体が手遅れとなる事態を防ぐため、病院探しの「搬送コーディネーター」を設置する地方自治体の試みが来月4月から始まる。受け入れ先が見つからず妊産婦が死亡する事態を招いた大阪府と奈良県で先行的に始まっているが、「搬送コーディネーター」を誰が受け入れるかで違う結果を招いている。
奈良県では奈良県立医科大学にハイリスク妊婦搬送コーディネーターを配置する運びとなったが、実際に応募があったのは助産師や看護師のみで医師は一人も含まれていない。そのため、当初の予定の10人を下回る人数、かつ医療従事者で担当しなければならず、コーディネーターの稼働は土日祝日に限定されることとなった。2007年12月に始まった奈良県の同サービスで、搬送先が決定したのは現在までに1人だけである。ハイリスク妊婦は大阪への搬送が必要となるケースが多いものの、大阪の救急受け入れは医師同士の申し渡しが必要となり、助産師・看護師の連絡では受け入れ不可なのだ。中核とする医師を置き、医療従事者と連携して搬送先を見つける当初の計画は成功していない。しかし、県内の産婦人科医師数は72人しかおらず、この中から県内の義務としてローテーションを決定することは困難といえる。
一方、大阪では和泉市にある「府立母子保健総合医療センター」で、府内8病院のベテラン産婦人科医15名で当直体制を敷き、これまで50分かかっていた搬送先決定にほぼ一度の連絡で打診で決着が着くという。医師を派遣している病院が一義的に受け入れる体制でいるため、妊婦が宙に浮くことがない。大阪府の搬送コーディネーターは、自治体の規模の大きさも手伝って堅実な成長を見せていたといっていいだろう。
ここで足止めとなったのが、財政改革を看板に立ち上がった橋下大阪府知事である。今後3年間の母子保健総合医療センターの医師増員計画を予定していたが、新規事業抑制政策を受けて白紙となってしまった。4月からは全国の自治体で搬送コーディネーターの配置を試みようとしているが、大阪では4月からは医師のボランティア当直となってしまう。現在、一当直70,000円が支給されているが、負担と責任の重い役割をボランティアで継続することは不可能だろう。
橋下府知事の政策の本質を問うた時、行政の赤字削減のために一般から死者を強いる政策ではない。女性・子供への福祉の充実も選挙時のアピールの一環であった。今後の大阪府内医療機関担当者と府知事とのディスカッションと、制度改善の努力は財政健全化の急務に等しいと思うが、どういう対応をとるか。府民だけでなく全国的な注視が予想される。