事務長インタビュー 第1回 金井病院
2012年03月30日
~初めに~
『金井病院 診療棟』 |
第一回目の事務長インタビューは、京都市伏見区の金井病院をご紹介します。予防医学から急性期、そして慢性期から在宅、と幅広い医療を地域に提供している医療機関です。今回は、経営管理部副部長、貞由憲男様に募集以外にも、地域性や法人としてのこれからについて、など幅広い部分について伺いました。
初めに貞由様はどういった経緯で入職されたのでしょうか。
こちら(金井病院)に来て18年になります。元々は京都第一赤十字病院で勤務しておりました。赤十字病院は規模の大きい病院で人事、そして現場の医事業務の経験を積みました。金井病院については、私が赤十字病院に居た時の上司(当院現経営管理部長)が勤務されていたのですが、その方から金井病院は規模も赤十字病院程大きくは無いので、病院業務のみに関わらず、地域活動にも積極的に関われる病院であると伺いました。そういった話を聞く中で、自分がやりたい事を実践できて、やりがいのある病院であると思い現在に至っています。
■現在の業務や採用で気をつけている事を教えてください。■
経営管理副部長 貞由様 |
当院に来てからは医事業務や行事の参加、人事も医師の採用のみならず多職種の人事も経験しました。今は統括的な立場ではありますが、中小規模の病院なので、仕事内容は多岐にわたります。医師だけでなく医療技術部とも良い関係を構築する為には現場での業務を知り、自分が経験していなければならないと思っています。職員の採用につきましては、業務以外で健康増進、ボランティアも含めて協力していただく事を条件にしております。専門的に自分の業務をしていたらよい、という事ではなく、本来の業務以外の事に対しても楽しく働いていただける事が重要であると考えています。
■地域、そして病院との関わりについてはいかがでしょうか。■
淀は歴史のある古い町で、京都市中心部からも電車で2~30分と非常に便利な地域です。また連合自治会が淀、淀南、納所と3つございます。組織がしっかりしていて、まとまっていると感じます。当院との関わりについては、自治会も含めて、地域の方に病院の行事、活動に協力していただいています。社会福祉協議会や老人会、各地域の学校にしても病院に対する協力関係はすごく良いです。年に1~2回は地域の方に集まっていただき地域の方と意見交換できる会議を定例的に行なっています。膝をあわせたやりとりをする事で、地域と壁がない関係が生まれていると思います。
■やはり患者層としては高齢者の方が多いのでしょうか。■
『金井クリニック』(在宅療養支援診療所) |
歴史ある町という事で慢性期の患者さん、高齢者の方が多いのですが、10~15年前からは新しくマンションが建設されています。その為、若い世代が増え、他地域から淀に人が集まってきていると感じます。ちなみにそういった理由からとは思いますが、このあたりは保育園の数が多く、当院の小児科は保育園の健診も含めた園医や中学の校医もやっています。また、病院が駅から近い事で近郊の方以外に大阪方面からの患者様や職員もけっこう多くなりました。
■金井病院はどういった経緯でこちらに開院されたのでしょうか。■
先代の理事長が35年前に京阪淀駅前に診療所を開院しました。当時この地域には診療所や病院が少なく。患者様もたくさん来院されていたみたいです。先代は循環器内科が専門で内科系の疾患を診ていたのですが、地域のニーズもあり、診療所を開院して数年で今の場所に病院を建てる事になりました。そこで内科だけでなく他の専門科目も必要との判断で京都府立、京大の医局からも応援いただいて複数の科を立ち上げた、という流れです。ただ、その当時から先代は在宅医療もされていましたし、地域医療をここでやっていきたい、という思いもありその頃から地域との関わりは良かったと思います。
■病院として地域に貢献する上で重要視されている事はございますか。■
5年前に先代理事長から現理事長に引き継がれました。今の理事長は救急を専門にされている総合診療の医師です。先代からの引き継ぎではありますが、救急、そして在宅医療にも力を入れています。救急については近隣に病院が少ない事から需要が増えており、在宅につきましては、高齢者が多く、独居の方も多い地域という事もあり必須になってきています。また予防医療という事で、こちらも先代の時からも行っていましたが、規模を拡大しヘルスプロモーションセンターを新たに開設しました。一般検診、ドックそして企業の衛生管理を地元の中小企業を中心に産業医活動も行っています。在宅・救急・予防医療の三本柱を重点項目として地域の健康を守っていこうと考えています。
■今後についてはいかがでしょうか。■
在宅、救急、予防の三本柱もさる事ながら地元の人が地元で全ての医療・介護サービスを受ける事ができる様にしていきたいですね。当院は療養型病棟、そしてサービス付きの高齢者住宅、デイサービスセンターもあり、医療のみならず介護にも力をいれております。今後はこういった介護の部分を伸ばせていければと考えています。
『デイサービスセンター「愛会」』) |
『サービス付高齢者向け住宅「それいゆ」』 |
■理事長先生はどういった方なのでしょうか。■
大変おだやかで、理論的に物事を考えられる医師です。またERにもおられたので、冷静な判断をされるのはそういった所から来ていると感じます。また日頃、在宅や病棟、そして外来でも多くの患者様を受け持っている事からも現場が好きだと感じます。それ以外にも研修医の指導もされていたので、関連グループの金井クリニックが在宅医療専門医研修の指定医療機関になっております。そういった部分でも、勉強したい先生には指導力を発揮される医師だと思います。
■Ipadの導入などITにご興味ある事は感じます。ご趣味でもあるのでしょうか。■
映画鑑賞が好きだという話は聞いた事はあります。以前に研修医を指導するDVDや、開業医が行なう救急初期診療のDVDを自ら出演して作られたものを見たこともあります。また、医療現場でipadやiphoneを活用していることがワールドビジネスサテライトに取り上げられ出演されたり、ソフトバンクの孫正義社長との対談がネットで生中継もされました。また、ニンテンドーDS用教材「症候診断トレーニングDS」の出題や監修もされており大変アクティブの医師です。
昨年の7月から電子カルテを理事長の思いもあって導入しました。当方は金井病院と金井クリニック、それとヘルスプロモーションセンター、訪問看護ステーションを持っております。そこで患者一人に対し1つのIDで統一し、どこからでもカルテ情報を共有できるように一元化をしました。これも理事長のIT知識のおかげだと思います。
■現在の募集について教えてください。■
当院は救急医療も行ってはいますが、一般内科疾患が多いので、総合診療を診ていただける先生を求めています。現在、総合診療については、理事長を含め2名の医師で対応しています。外来は京大や京都府立から専門の先生が多く来ていただいているので、専門的な部分はコンサルをしていただけます。そこで病棟、入院について総合的に診ていただき、そして理事長も含め若い医師が多いので、若くてアクティブな先生が当院のニーズですね。
■医局内やコメディカルとの関わりについてはいかがでしょうか。■
医局では年配の先生も勿論おられますし、30代の先生も在籍されていますが、大学派閥も無く関係は良いと思います。また、コメディカルは協力的で、動いてくれるスタッフは多いと思います。働かれる先生にとってやりやすい環境であると私は思います。
■最後にご覧になっている先生に一言お願いします。■
水中ウォーキング |
里山ウォーキング |
先ほども少し触れましたが、当院では積極的に地域の健康増進活動を行っています。先月京都マラソン2012が開催されましたが、その応援イベントとして半年前から京歩2011「京都マラソン健康ウォーク」を開催しました。マラソンコースを体感しよう、という趣旨なのですが、42.195キロを走るのは大変なので、京都マラソンのコースを6回に分け
て、約7キロを月1回、医師や病院医療スタッフと一緒に患者様5~60名で歩きました。京都市や地区医師会からも後援いただき、整形外科の若い医師が中心になって開催したのですが、参加された方にも非常に喜んでいただいて、来年も、という話も出ていました。またそれ以外にも地域の健康増進活動として、地域住民向け健康教室や医療者と歩く里山ウォーキング、医師主導による水中ウォーキング、高齢者のため のグラウンドゴルフ大会や健康祭りも行っています。
当院では先生がやりたい事ができる環境があります。医療のみに限らず、健康増進の一環として患者様との壁を越えて何かやってみたい事があれば、是非相談していただきたいです。こういった地域との関わりに興味ある先生、ご連絡ください。本日はありがとうございました。