事務長インタビュー 第13回 奈良東病院
2014年06月27日
2014年6月27日
外観 |
~始めに~
第13回目の事務長インタビューは、医療法人健和会 奈良東病院をご紹介します。「事務長インタビュー」では採用担当者の視点から病院や地域についてなどを伺っているのですが、今回は理事長先生にインタビューをお願いしました。非常に気さくで、医師、スタッフを分け隔てなく接し、地域の為、法人としての進むべき道を常に考えられている先生です。
診療報酬改訂に伴い、回復期、療養、在宅、各カテゴリーに求められる事が増える中で、法人の柱である理事長先生に、募集以外にも法人や地域について伺いました。
■奈良東病院にはどういった経緯で入職されたのでしょうか。■
この奈良東病院は私の父親が経営者の立場として開設した病院です。父は医師では無かったのですが、私自身は医師を志し、平成7年に大学卒業後、大学医局に入局し、整形外科医として修業をしていました。勤務医をしていた当初は、いずれは奈良東病院に戻らなければならないとは感じていましたが、あくまでも漠然とした考えでした。ただ、医局人事で関連病院を周る中で、地域医療に興味を持ち、自分自身でもやっていきたい、と感じました。
そして平成18年に勤務医として奈良東病院に入職し、平成23年から副院長、そして平成25年より理事長に就任しました。
■■ 急性期から慢性期に移られた際、どんな事にギャップを感じた事でしょうか。■
その点については大変感じました。それまでは急性期病院の整形外科という事もあり、手術を主に行っており、術後で内科的な対応が必要であれば、内科の先生にお願いする、といった役割分担ができました。
しかし、慢性期病院では高齢者の患者が多い事もありますが、内科的な知識が必要になってきます。より専門的な部分は内科の先生にコンサルトをお願いする事はありますが、多少なりとも幅広く内科を診れる様に勉強しました。また急性期と違い、慢性期の患者は長期入院の方や場合によってはここで最期を迎えられる方も居られます。
そういった事から一人の患者と接する時間が非常に長く、その患者家族とも長いお付き合いになります。丁寧な説明や人間関係の構築が必要だと感じています。
■ご趣味について教えてください。■
学生時代はラグビー部に所属していましたが、流石に今は観戦するぐらいで、運動といえばウォーキングぐらいでしょうか。
あえて趣味といえば読書です。まだ子供が小さいので、休みの日は子供と遊んでします。いわゆる「イクメン」です。
鉄村 信治 理事長先生 |
■病院がある地域はどういった所なのでしょうか。■
病院が開設される前、この場所は竹やぶでした。今でも病院周辺は田んぼが多くのんびりしています。ただ、人里離れた山奥といった場所ではなく、近鉄奈良駅から車であれば約20分です。周囲には有名な寺院があり、このあたりは奈良マラソンのコースにもなっています。
■今後の展望について教えてください■
やはり高齢者が多いです。平均年齢でいえば80歳以上でしょうか。入院患者の7割は近隣急性期病院からの紹介で残り3割はグループの関連施設からです。外来患者はグループ施設と、地元の方ですね。近隣急性期病院との連携により最近はリハビリの紹介患者が増えています。
■■ 病院として地域との交流で何か催し物はされているのでしょうか。■
私が着任する前からですが、毎年の夏に「ふれあい祭り」というイベントをグループ全体で行っています。
今年は8月23日、24時間テレビに協力し、来賓では県知事が来られるぐらい大きなイベントです。自治会の方に協力していただいて露店や盆踊り、ダンスなどを行うのですが、法人敷地内で行う事もあり、関連老建の入所者や病院の入院患者も楽しみにされています。病院としては、私と院長、診療部長は参加します。勿論他の先生もご家族で来場されたりもします。
ふれあい祭り |
■病院の特徴について教えてください。■
開設当初は180床の特例許可老人病院としてスタートしました。現在は障害者病棟42床、回リハ病棟50床、療養病棟168床です。
病院周辺は医療・福祉の複合ゾーンとして老建、特養などを運営しており、約900名の入院、入所者様が居られます。開設時よりリハビリには力を入れており、約90名のセラピストが在籍しています。グループ施設が充実しているので、退院患者がそのまま入所されるケースもあります。救急告示病院ではありませんが、以前からグループ施設からの時間外受診、緊急入院の対応、いわゆる老人救急は行っています。その為、勤務されている先生にとっては、他の慢性期の病院と比べるとご負担があると思います。私の個人的な感覚では急性期と慢性期の間といった認識です。
病院受付 |
リハ室 |
■法人として今後予定されている事はございますか。■
来年には病院併設で介護付き有料老人ホーム(70室)を開設する予定です。完成した暁には約1000名の入院、入所者様が病院、そして周辺施設に居られる事になります。そういった関連施設への往診、そして院内では新設の地域包括ケア病棟や回復期リハ病棟の増床を検討しています。また都市部にも高齢者が増えてくるので、そういった地域に訪問看護、訪問リハの拠点を展開したいですね。
エバーライフ |
ふくじゅ荘 |
■今回の募集背景について教えてください。今回の募集背景について教えてください。■
今後の展開としては、地域包括ケア病棟や回復期リハ病棟の検討に入っており、関連施設への往診を行う上でも医師体制を強化したいと考えています。内科、リハビリの先生は勿論ですが、場合によっては今まで募集していなかった整形外科の先生の招聘も考えています。当院で手術はございませんので、イメージとしてはご年齢と共に手術からは離れる事にされた先生で、リハビリを主体に診ていただければと考えています。
■ 求める先生像についてはいかがでしょうか。■
今後、医療機関が機能分化していく中で、お互いの連携が重要になってくると思います。今回の診療報酬改訂を見ても、全ステージで患者様を在宅に戻す事を進めており、慢性期医療といえども急性期に近づいていく事になってきます。そういった事に興味を持っていただける先生、そして多少なりとも高齢者医療に興味を持たれている先生が良いと思います。
そしてこれは勝手なお願いにはなるのですが、できる医療にも限りがある為、患者様、そのご家族対し、納得していただかなければなりません。その為、医師から患者様、そのご家族に説明する事になるのですが、できる限り、懇切、丁寧に説明をしていただきたいです。また急性期はトップダウンですが、慢性期は他職種とのチーム医療になります。その為、連携していただければ非常に嬉しいです。
■ 最後に ■
今回の診療報酬改訂でも示された様に、今後、高齢者医療の重要度は増していきます。私達と一緒に高齢者医療に取り組んでいただける先生、ご連絡お待ちしております。